【公募制学校推薦型選抜と一般入試を徹底比較!】どっちが有利?両立できる?

入試

こんにちは!個別指導塾の現役塾長です。

この記事では、大学入試における公募制学校推薦型選抜と一般入試の違いやメリット・デメリット、両立できるかについて解説します。

15年以上にわたる自教室での指導経験に基づいて解説しますので、ぜひ参考にしてください!

この記事を読むと下記の内容が理解できます。

・公募推薦(公募制学校推薦型選抜)と一般入試のしくみ
・メリット・デメリット
・どっちを活用するかの判断法
・両立できるか

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公募推薦と一般入試のしくみ

公募制学校推薦型選抜

公募制学校推薦型選抜のしくみ概要

・評定基準値をクリアして出願(9~11月)
・書類(成績)・面接・小論文などで選考(10~11月)

・一般入試より3か月早い結果発表(11月~12月)
・倍率は1~5倍

まずは公募制学校推薦型選抜(旧公募推薦)のしくみを簡単に説明します。

さらに詳しくはこちらの記事⇩にまとめましたので、よろしければ参考にしてください。

公募推薦入試とは、成績の基準値をクリアしている人ならほぼ誰でも出願できる入試制度です。

ここでいう「成績」というのは、評定平均値と呼ばれるもので、以下の計算式で算出されます。

評定平均値=3年間の成績合計値÷3年間の全履修科目数

成績は、10段階の場合は5段階に直し、1年学年末+2年学年末+3年1学期(または前期)で計算します。

例えば、

1年学年末の成績が13科目で合計56
2年学年末が14科目で合計62
3年1学期が10科目で合計45 の場合、

評定平均値=(56+62+45)÷(13+14+10)≒ 4.4

ということになります。

この評定平均値が大学の指定する基準値(4.0とか3.8など)をクリアしていれば、基本的には出願できます。(大学・学部・学科によっては「英検2級持っていなきゃダメ」などの基準もあったりします。)

出願するとその後面接・小論文や、入試ほど難しくない学力検査プレゼンテーションなどにより選考が行われます。

合格率は大学・学部・学科によりかなり差がありますが、1倍~5倍くらいと考えていいでしょう。もちろんもっと高倍率になることもあります。

結果が出る時期も大学によりますが、11月~12月のところが多いですので、一般入試の受験生より3か月ほど早く進路が決定することになります。

一般入試

私立大学と国公立大学でしくみが異なりますが、簡単に言えば

「入試で点数取ったもん勝ち」です。

受験勉強をして知識を増やし、問題を解けるようにすれば合格します。


【私立大学

私立大一般入試のしくみ概要

・基本3教科で受験
 文系:英語・国語・社会
 理系:英語・数学・理科

・平均35,000円の受験料

・3~10校を併願

・倍率は4~5倍

3教科での受験が基本で、

文系だと英語・国語・社会

理系だと英語・数学・理科

というパターンが多いですが、社会の代わりに数学を使う文系受験者もいます。

2教科で受けられる場合もありますが、その分倍率も高く、高得点を取らなければなりません。

日程が重ならなければ何校でも受験することができますが、1校あたり35,000円ほどの受験料がかかりますので、予算も含めて検討する必要があります。

だいたい3校~10校くらいの範囲で受ける人が多いように思われます。

倍率はもちろん大学・学部・学科によって異なりますが、3倍から8倍の範囲に収まることが多く、平均すると4~5倍のようです。


【国公立大学】

国公立大一般入試のしくみ概要

・共通テスト
 5教科7科目が多い

・2次試験
 2~3教科が多い

・2回までしか受けられない場合が多い

・倍率
 全体で4~5倍だが、後期は超高倍率

共通テスト+2次試験による総合点で合否を判定します。

共通テストは国立の場合5教科7科目のことが多く、その他の公立大学の場合は3教科や4教科で受けられるところもあります。

2次試験(個別学力試験)は2~3教科が一般的ですが、1教科や4教科、小論文のみの場合もあります。

私立との違いは、やはりこの科目数でしょう。

5教科勉強するのは自分には無理そうだから、私立にしとこうかな。

このように考える受験生も多いです。

受験の機会も限られています。国立大学や多くの公立大学の場合、前期・後期の2回しか受験することができません。一部の公立大学では中期選抜というものを行っているため3回受けられる場合もありますが、ほとんどの受験者は2回までとなります。

また、倍率については前期は2~6倍程度、後期は10倍~20倍と、かなりの狭き門となります。

それぞれのメリット・デメリットは?

公募制学校推薦型選抜のメリット・デメリット

【メリット】
・テストで点を取るのが苦手な人も大学に入れる
・コツコツ積み重ねた努力が評価される
・一般入試ほどの勉強量は必要ではない
・一般入試だと入れないレベルの大学に入れる可能性がある

【デメリット】
・チャンスが1回しかない場合が多い
・対策が難しい

一般的に定期テストは範囲が決まっていて、入試は全範囲から出題されます。

その「狭い範囲のテスト」なら得点できるタイプでも、入試のような「範囲のないテスト」では思うように得点できないタイプが一定の割合で存在します。

そのようなタイプが一般入試で合格を勝ち取るのはとても難しいことです。

公募制学校推薦型選抜ではそのような「入試で点が取れない」タイプも合格することができるのです。

もちろん高1の段階から定期テストに向けた学習に力を注ぎ、授業態度や提出物にも気を配るなどの努力は必要です。

将来の夢を叶えるために大学進学が必要なのにもかかわらず、どうしても入試形式のテストで点が取れないタイプは、積極的に活用したい方式です。

また、公募推薦では、

「偏差値60の高校における評定4.0」

「偏差値40の高校における評定4.0」

この2つは同等に扱われます。

偏差値60の高校では評定3.0の実力の生徒が、偏差値40の高校では評定4.5を取れる可能性もあるのです。

このような仕組みのため、うまく活用すれば「自分の実力よりハイレベルな大学に入学することができる」といえます。

実際に私の教室でも「一般入試だときっと届かなかっただろうな」と思われる大学に公募推薦で合格していった事例がたくさんあります。

一方、数値による評価をしにくい小論文や面接による選考が多いため、対策が難しいという点がデメリットと言えるでしょう。十分に時間をかけて小論文や面接の練習をしても不合格になってしまうことはよくあります。


一般入試のメリット・デメリット

【メリット】
・学校の成績が関係ない
・勉強する科目を絞ることができる
・何回もチャンスがある

【デメリット】
・多くの学習量が必要
・一発勝負のため、緊張や体調、運に左右される

高校1・2年生で部活に打ち込んでいて全く勉強していなかったような人でも、その後の努力によって挽回可能なのが一般入試です。

また、私立大学の場合には2~3教科の勉強に集中することができますので、得意科目で勝負できる点も大きなメリットです。

「数学がめちゃくちゃ苦手だけど英語・国語あたりは点を取れる」といったタイプの場合、評定平均値を高くキープすることはとても難しいです。

そのようなタイプは早くから受験科目に絞って学習することで、効率よく得点力を高めていくことが可能です。

一般入試向けの勉強は定期テスト向けの勉強と比較すると圧倒的に大変ですが、得意科目だけを学習していくのでモチベーションも保ちやすく、学習量が得点に結びつきやすいです。

公募推薦と一般入試どっちの方式で受ける?

ここでは、「公募推薦と一般入試のどちらを選ぶべきか」について、タイプ別のオススメをお伝えします。

範囲のないテストで得点するのが苦手なタイプ

このタイプは完全に公募推薦や指定校推薦向きです。全国から集まる受験生と同じ土俵で戦おうとすると、苦しい受験勉強を長く継続する必要があります。(同じ成果を出そうとしたときに、努力量が人の2倍3倍必要なことがあります。)

勉強が嫌い・長く続けられないタイプ

一般入試で成功する人は学習の習慣化と自己管理が上手です。これらが苦手な人が大学に進学しようと思ったら、定期テストだけでもなんとか乗り切って成績を稼ぎ、公募推薦でチャレンジするといいかもしれません。

そもそも勉強が嫌いな場合には大学に進学するという決断から慎重にすべきではありますが。

コツコツ努力できるタイプ

このタイプは公募推薦も一般入試も狙えます。両方活用するのもいいかもしれません。

特に国公立大学に合格する人は、バランスよく勉強できていて学習習慣も安定しているので、評定平均値も高い傾向にあります。

テストが得意なタイプ

このタイプも、公募推薦・一般入試のどちらも狙えます。基本的に一般入試向けの勉強をしつつ、第一志望校が公募推薦を実施していたら準備に少しだけ時間を割いて受けてみるといいでしょう。

得意科目と苦手科目の差が大きいタイプ

このようなタイプは評定平均値を安定させるのが難しいため、早くから一般入試に決めて受験科目の勉強に集中するのがよいでしょう。

自己表現が上手なタイプ

公募推薦では面接で自分の考えを伝えたり、小論文で意見を伝えたりする必要があります。

このような自己表現が得意なタイプは公募推薦に向いているといえます。

将来の夢・目標が明確なタイプ

公募推薦やAO入試では、「大学で何を学びたいか」、「将来にどのようにつなげたいか」が明確でなければなりません。

「やりたいことがないからとりあえず潰しがきく経済学部かな~」

という考えの人は公募推薦には向いていません。

目的が明確で意欲を十分にアピールできる人は公募推薦での合格可能性が高くなります。

公募推薦と一般入試って両立できるの?

結論から言いますと、「できます」。

ただ、公募推薦は専願(受かったら必ず入学しなければならない)の場合が多いので、公募推薦で保険を作っておいて一般入試を受けることはあまりできません。

両立を考える場合の考え方としては、

「基本的に一般入試での合格を目指して勉強を続け、第一志望校が公募推薦をやっている場合に受験機会を増やすために受ける」

というのがよいと思います。

力の入れ方として、公募推薦のほうにウエイトを置いてしまうと、落ちてしまったときに切り替えて一般入試の勉強を続けることが難しいことがあるのです。

一般入試に向けた勉強のペースは崩さずに、合間を見て小論文の練習や面接練習をしていくのがベストです。

とはいえ現実はなかなか難しく、私の教室の受験生でも、

公募受けるけど、一般向けの勉強を緩めてはならないわ!

と頭では分かっていても、公募の準備に手一杯になってしまっているケースもよく見られます。

最後に。どの方式でもそうですが、早く決めればその分対策に多くの時間を使えますので、できるだけ早い段階からよく調べて情報を集めておくことが必要です。

以上です。悩める受験生たちの進路選択のために少しでもお役に立てれば幸いです!


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