「なぜ成績が上がらない?」塾に行ってるのに成績が伸びない理由

塾に通ってしばらくたつけど、なかなか成績が伸びないのよね~。

塾変えないとダメかしら?

このようなご不安を抱えていらっしゃる方は多いと思います。

そこでこの記事では「塾に通っていても成績が伸びない理由」を解説します。

書くのは個別指導塾で15年以上の指導経験を持つ現役塾長です。

この記事のポイントは次の通りです。

・マッチングに原因がある
・塾と保護者の認識にズレがある
・塾に原因がある
・生徒に原因がある

・解決策

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成績が伸びないのは塾とのマッチングが原因?

まず最初に考えられるのは、

必要な指導と提供される指導がズレている

という場合です。

具体例で説明しますね。

・ゆっくりだが着実に理解を深める生徒が、ハイペースでどんどん進める塾で指導される場合

・言われたことはきちんとこなせる生徒が、宿題のない塾で指導される場合

・集団指導で理解するのが難しい生徒が、集団塾で指導される場合

・ライバルに囲まれているほうがやる気が出る生徒が、個別指導塾で指導される場合

・打たれ弱い生徒が、ビシビシ厳しい塾で指導される場合

・ハイレベルを目指したいと思っていない生徒が、ハイレベルな塾で指導される場合

要は、ある塾の理念方針やシステムが、すべての生徒に適しているわけではないということなんです。

個別指導塾なら基本的にニーズに合わせた指導が可能になりますのでこれらの問題は生じにくいのですが、例えば本来1対1の指導が望ましいタイプが、1対3の個別指導で成果が出にくくなる場合などもあります。

そして中1の内容から復習すべき生徒が、「全員上位校目指すぞ」っていう塾に入ってうまくいく筈がないのです。(そういうところは入塾テストを行うことでミスマッチを防いでいる場合も多いですが。)

このように、必要な指導と提供される指導がうまくマッチしていなければ伸びるものも伸びません。

塾と保護者の認識にズレがある?

ここから書くのは、実際には成績が伸びているのに、「塾に通っているからにはもうちょっと上げてほしいな」と感じてしまうケースです。

したがって「伸びない理由」ではなく「伸びないと感じる理由」です。

以前中2のお子さんを持つ知り合い(私の教室ではない塾にお子さんを通わせている)からこんな相談をされました。

1年生のときには30点~40点くらいしか取れなかったんだけど、最近2回のテストは両方70点に届かないくらいだったの。

なかなか伸びないわね~

「いや、それなら塾の仕事としてはまずまずじゃないかな?」と感じました。

もちろん、毎回さらなる得点の向上をめざして指導するのが塾の務めなわけなんですが、塾に通っていたら上がり続けるというものでもありません。

テストの難易度なども考慮したときに、「得点キープでも大成功」という場合もあります。

塾側が結構頑張っても、「過度な期待」によって伸びていないと判断されてしまうことがあるということです。

また、成果がでるまでの時間についても正しく認識しておく必要があります。もちろん入会して1か月後のテストでポーンと上がって満足してもらえるケースもあるんですが、逆に3か月とか半年かけてじわじわと上がるタイプもいます。

入会して間もないタイミングで「伸びていない」と判断するのは早計であるという認識が必要です

ということで、「上昇率」や「結果が出るまでの期間」に対する過度な期待が、「伸びていない感」につながることを知っておくと良いかもしれません

塾に原因がある場合も

この記事をご覧になっているみなさんはおそらくここが一番気になると思います。

成績が上がらない原因が塾にある場合を見ていきましょう。

①宿題がない、または宿題の管理が甘い

ごく一部の生徒を除き、宿題にきちんと取り組まずに成績が上がることはありません

ピアノの練習や自転車に乗る練習を想像していただければイメージをつかみやすいと思いますが、「授業=やり方を伝えるもの」なんです。実際にできるようにするためには生徒自身の訓練が必要です。

週に4回とか5回授業を行っていて、授業内で十分な練習量が確保されている塾であれば宿題は不要かもしれませんが、多くの塾ではできるようになるための練習として宿題を出しています。

よって宿題を出していない塾では練習量が不足し、結果できるようになりません

また、出しているけど管理が甘い場合も、練習量が不足していますので成果が出ません。

先生、すみません。宿題やり忘れちゃいました!

そうなの?しょうがないなー。次から気を付けてね。

こういうやり取りで済んじゃっているところは気を付けたほうがいいでしょう。やってなくても実質「お咎めなし」になってしまっており、練習できていません。

しっかりした塾では、宿題の必要性や計画どおりに取り組むために必要なことをきちんと説明し、生徒の行動を変えることができます。

②講師や教室長の力量不足

・今の学力不足やつまずきの原因を把握していない

・成果を出すために必要な指導(宿題を含む)を分かっていない

・わかりやすい教え方を研究していない

・いつまでに何を指導しておかなければならないかという中長期的な視点がない

例えば、数学が苦手な高校生に「三角比(sin、cos、tan)を指導しよう」となったときに、多くの場合は中3で学ぶ「三平方の定理」を復習します。力量不足の講師はいきなり「三角比の相互関係っていうのはね…」ってやっちゃいます。

つまり「土台の不足」という原因を把握しておらず、「復習から始める」という必要な指導をしないんです。

経験の浅い講師はこの辺の判断が難しいことが多いので、教室責任者や先輩講師が教育する必要がありますが、新人でも講師に丸投げで、教育するシステムが整っていない塾は成果が出ません

③塾の環境

最近他の塾から転塾してきた生徒の話です。

自習室がうるさすぎて集中できなかったんです。

授業中も自習生が席を立ち歩いていて気になっちゃって。

このような集中できない(しにくい)環境の塾は成果が出にくいかもしれません。

ただ個人差も結構出るところでして、まったく気にせずに授業に集中できる人もいますし、ちょっとうるさく感じるととてもやる気が下がってしまう人もいます。

生徒に原因がある場合

塾を生業としている立場としては、「どんな生徒が来ても一定の成果を出す」というつもりで仕事しているので、伸びない原因が生徒にあるとは基本的には考えませんが、どうしても難しい場合もあります。

①欠席が多い場合

分かりやすい話だと思いますが、指導できる時間が限られればその分成果も出にくくなります

②やる気がなさすぎる場合

講師の話を聞こうともしないほどやる気がなくなってしまっている場合、短期的に成果を出すことはかなり難しいです。長期的に見れば、様々な話をしていく中で少しずつ少しずつ改善されて伸びていくケースもありますが、そこまでご家庭が耐え切れずに退塾になってしまうこともあります。

③覚えるのに時間がかかりすぎる場合

このタイプも長期的に見れば着実に進歩はしていくのですが、時期の決まっている定期テストや入試には間に合わないことがあります

例えば、3つの単語を覚えるのに2~3時間かかる生徒がいます。テストまでに覚えるべき単語が30個だとしても20~30時間かかってしまいます。当然テスト勉強は単語暗記だけではありませんので、限られた時間の中で得点に結びつけるために必要な内容・分量をこなせないことになります。

④部活や習い事が忙しすぎる場合

平日は毎日最終下校までとか、土日は必ず遠征とか、そういう忙しい部活の人も伸びにくい場合があります。単純に物理的に勉強に使える時間が少なく、宿題をやっても「やっつけ仕事」になってしまい、十分な練習ができていないタイプです。

もちろんそういう部活でもうまく勉強と両立して点数とれる人もいますが、全員ができるわけではありません。

一つの問題の解法をマスターするために、1回だけ解けば仕上がってしまう子もいれば、10回の練習を必要とする子もいるからです。

解決策は?

・塾とのミスマッチがないか確認する
・「いつまでにどのくらいまで伸びそうか」についての塾の判断を共有する
・塾の指導内容を確認する
・不安があれば塾に相談する
・勉強する時間を確保する

伸びないと感じたときにまず初めにすべきことは「塾に確認・相談する」ということです

定期的な面談を待つ必要はありません。すぐに電話してみるといいと思います。普通の塾は保護者の方の不安を取り除きたいと思っていますから、遠慮はいりません。

きちんとした塾では、1回テストが終わって数値結果に動きがなければ、次に向けての対策を考え、実行していると思います。

その対策が納得できるものであれば、塾を信じてみてしばらく様子を見るといいでしょう。塾での指導が目に見える結果として現れてくるまでには時間がかかることがあります。

一方、具体的な対策が出てこない場合はちょっと危険です。そのまま在籍して様子を見るか、転塾するか検討してもいいかもしれません

講師に原因がある場合は講師変更で改善されることもありますが、教室長が原因の場合は転塾しかないかもしれないですね。

また、部活と勉強の両立ができていないときは、思い切って部活を辞めたり休止したりするのもアリです。

もちろん部活を通して学べることはたくさんありますが、中には「部活をやっている場合じゃない」というタイプもいます。

勉強は一朝一夕にできるようになるものではありません。毎日コツコツ努力することが最善です。そのための時間を確保するために何かを犠牲にする必要もあるということです。

以上です!お読みいただきありがとうございました。

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