塾や予備校に行かずに大学受験したら失敗しちゃうのかな?
この記事では、塾・予備校に行かずに独学で大学受験を狙う場合に、
どんな失敗があり得るのか
という点ついて解説します。
独学で国立大学に合格し、長年大学受験生も指導してきた現役塾長が、自分の受験経験やこれまでの指導経験をもとに書きますので参考にしてください。
塾無し大学受験で失敗する理由
これから書く内容は、
高3の夏~秋にかけて駆け込みで入塾を求めてくる生徒によく見られるポイントです。
それらの生徒たちは塾を活用しても最終的に失敗することがあります。
そしてそれは最後まで独学で進めて失敗する場合にも共通する敗因です。
①現状を正確に把握・分析できていない
MARCH行きたいんですけど、可能ですか?
なるほど。現状だと偏差値どのくらいですか?
模試受けたことないんで分かりません。
高校の偏差値55くらいだからちょっと頑張れば行けるかと思って。
…………
じゃあ、英単語はどのくらい入ってますか?
この前ターゲット買いました!
…………
こういう事例は結構見られますね。
大学入試の厳しさをよく理解していないタイプです。
そもそも高校の偏差値と大学の偏差値が同じものだと思ってしまっている人も多いですね。
偏差値50未満の高校の人たちが一般入試にチャレンジするケースは少ないため、偏差値50前後の高校の人たちは一般入試においては最下位層(偏差値40前後)ということになります。
もちろんそういうところから早慶やMARCHに受かるケースもありますが、稀です。
今の実力を数字で客観的に把握するために模試を受けたり過去問を解いてみたりすることが必要なわけなんですが、それをせずに、
「なんとなく」
「雰囲気で」
「友達の影響で」
と志望校を決めてしまうのです。
これでは、
敵がどんなに強いか知らないまま、弱い装備で立ち向かっていくようなものです。
また、目標の偏差値と現状の学力が把握できたとしても、ゴールまでの道筋・計画を正しく設計することができない場合もあります。
(問題集とりあえず1周やって完成したことにして過去問演習に入っちゃうとか。)
このように、ゴールまでの正しい距離感や道筋をつかめていないことが失敗の理由として一番多いように思います。
②ペース管理ができない
上述の通り最初に決めた計画にそもそも無理があることもありますが、予定していたペースで学習が進んでいかないケースもよく見られます。
塾に通っていれば適切なペースをアドバイスしてもらえますし、進捗をチェックしてもらうこともできますが、自己管理の場合はどうしても甘さが出てしまいます。
私の教室でも、しっかり管理してペースを守ろうとしてもなかなかうまくいかない生徒も多いですので、自力でうまくいく人は多くはないでしょう。
③モチベーションを保つことができない
1人で勉強していると、勉強に対する意欲が一定に保たれず、気分によって成果に差が出てしまうタイプがいます。
その点、塾に通っていれば講師が励ましてくれたりライバルと競い合ったりできるので、モチベーションをキープしやすいです。
私もよく生徒面談をするんですが、進捗チェックや模試得点の分析をすることでやる気が高まるケースがよくありますね。
本当はモチベ管理も含めた自己管理ができないタイプはそもそも一般入試にあんまり向いていないんですが、そういう生徒も多いということです。
④成果の出る勉強法を知らない
・自分のレベルに合った参考書・問題集を選ぶこと
・インプットとアウトプットのバランスが大切であること
・適切な回数・分量で反復をしなければならないこと
これらは大学受験生だった過去の自分にもアドバイスしたい内容です。
独学受験生はいろいろと試行錯誤しながら得点の向上を目指すわけなんですが、知識と経験には勝てません。
経験と実績を積んだ塾の指導者は最短ルートで効率よく成果に結びつけることができます。
独学でもゴールに到達できるけど、塾に通えば近道を教えてもらえる感じですね。
⑤間違った理解や判断が修正されない
例えば問題集のレベルが合っていなかったとき、塾に通っていれば
もっと基礎からやるべきだよ
などとアドバイスすることができます。
一人でやっているとそれが修正されないまま無駄な時間を過ごすことになりかねません。
また、解説を読んで理解したつもりでも実はそれが間違っていて、そのまま定着してしまうこともあります。
例えば「tan90°は定義されない」という解説をみて、
tan90°は無いのか。
ってことはtan90°=0ってことだな!
と誤って記憶していた生徒がいました。
このレベルであれば、問題演習を重ねていけば普通は自分で誤りに気付くことができます。
しかし内容によっては模試などで✖がつくまで気が付かないかもしれませんし、最悪入試で出題されて、それで不合格になってしまうかもしれません。
塾に通えばそのようなリスクを最小限にすることができます。
塾無し受験で失敗を回避する方法
失敗の原因を前述しましたので、その原因を一つひとつ潰していけばよいのです。
①「正しく現状分析できない」の解決策
数字で客観的に分析するということが必要です。
模試は一定の頻度で受けるべきですし、早い段階で過去問を解いて自分の得点力を把握することも必要でしょう。
①模試や過去問の得点で理解度を確認
②課題点をチェック
③課題解決のための計画立案⇒実行
④再度解いてみて得点・理解度を確認
このサイクルを繰り返し、できるだけ客観的に分析します。
分野・単元ごとの得点率を見ていけばやるべきことが明確になってくると思いますが、これは人によっては自分で判断するのが難しいかもしれません。
そういう場合は人の力を借りましょう。
学校の先生の中には有用なアドバイスをくれる人がいるでしょうし、勉強のしかたが上手な友人にきいてみるのも良いでしょう。
それでもうまくいかなければ塾の学習相談を活用するのもアリです。
相談して「自力では難しい」と判断するなら塾を活用すればよいですし、「いいアドバイスがもらえた!これなら自力でできそう!」と判断するなら独りで頑張ってみるのも良いでしょう。
②「ペース管理ができない」の解決策
学習管理アプリなどを活用するといいかもしれません。
例えばStudy plus。
学習時間を教科別・教材別に記録し、グラフでチェックすることもできます。
「見える化」して管理するのは、効率よく仕事を進めていくためにもよく使われる手段です。
それから他人にチェックしてもらうというのも有効です。
人の目があるところでは「きちんとしなければ」という気になりますよね。
家族にチェックしてもらってもいいでしょうし、それだと甘さが出ちゃう人は友人や先生に頼んでもいいかもしれません。
しかし最後はやはり自分です。
「自己管理がしっかりできないと必ず負ける」と強く意識することが必要ですね。
③「モチベーションを保てない」の解決策
スモールステップを心掛けるといいでしょう。
小さな目標を一つひとつクリアしていくと、達成感が積み重なって自信につながります。
ターゲット1900をあと1か月で覚えるぞ!
このように期間も分量も大きく設定してしまうと、どこかで問題が生じたときに修正が難しくなります。
そしてそのような壁がモチベーションを低下させてしまうのです。
「1日10個覚える」など、ハードルを小さくしておいて、確実にクリアし達成感を得るのです。
小さな一歩の積み重ねにより、大きく前進することが可能です。
他には、
・合格した後の自分を想像する
・友人と励ましあう
・自分へのご褒美
この辺りも役に立つかもしれません。
④「成果の出る勉強法を知らない」の解決策
まずはネットで調べましょう。
某塾が出している「参考書ルート」などはとても役に立ちます。
注意しなければならないのは、「ネットに書かれているすべての情報が正しいとは限らない」ということです。
ある人には最適だったやり方が、他の人では効果が出にくいということもあります。
自分に合ったやり方を見つけ、「これがベストだ」と思っても常に改善を目指していきましょう。
また、他人にアドバイスを求めることも有効です。
先生や友人にアドバイスをもらってもいいですし、知恵袋で質問してもいいでしょう。
一番大事なのは「自分にとって成果の出る方法を選び取る」ということです。
しっかり頭を使って考えながらトライアル&エラーを繰り返していけば、
自分にとって最適な、成果が出る勉強法を作り上げることができます。
⑤「間違った理解や判断が修正されない」の解決策
まずは疑ってかかり、数字のみを信じると良いでしょう。
常に、
「自分の理解や判断は正しいのか」
「もっといい方法があるのではないか」
と考えていきます。
数値が上がっていれば「自分のやり方が正しい」と判断し、数字が上がっていなければ「間違ったやり方が修正されていない」と判断します。
そしてどんなに工夫しても改善されなければ、残念ながら誰か他の人の力を借りるしかありません。
まとめ
失敗の原因を知り、努力と工夫で改善していけば、きっと塾無し大学受験もうまくいくはずです。
この記事が少しでもみなさんのお役に立てれば幸いです。
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