塾の仕事ってブラックなのかな?
このような疑問を抱いているみなさんに塾のリアルをお伝えします。
記事を書くのは教室長歴15年の現役塾長です。
「塾はブラックなのか」と、「ブラックを回避する方法」について解説します。
塾はブラックか?ブラック塾の特徴5つ
結論を先に書くと、「ブラックな会社はあるが、すべての塾がブラックなわけではない。」です。
ブラック塾の特徴5つ
①長時間労働
②休みが少ない
③残業代が出ない
④営業圧力が強い
⑤給料が少ない
【長時間労働】
ヒドイところだと10時出勤の24時帰宅とかあるらしいです。
普段そうでないところも、講習期間中は10~12時間勤務になることも多いと思います。
【休日の数】
最近は週休2日が当たり前になってきていると思いますが、ブラックなところでは日曜のみ休みで、その貴重な日曜も補習でつぶれるとかいうことがあるようです。
【残業代】
固定残業代(実際に残業した時間よりはるかに少ない分)が支給されるところはまだ良く、もっとヒドイと一切なしのところもあるようです。
塾で教える人間の多くは、勤務時間後に生徒が「先生質問があります!」って言ってくると残業代が出なくても喜んで教えると思います。
だってわかってもらえたら嬉しいから。
でも悪い経営者はそれをいいことに無給で補習させ続けるかもしれません。
【営業圧力】
営業ノルマ(売り上げ・生徒数)を設定してある塾もあります。
目標の生徒数に達していない場合には、勧誘のためにかけたくもない電話をかけなければならないとか。
そのような上からの圧力により精神を病んでしまうとか。
【給与】
ブラック塾の話を見たり聞いたりすると、月給14万とか年収200万とかあります。
そして昇給もあっても雀の涙。
以上のような内容にあてはまるところはブラック塾と言えるかもしれません。
そしてそのような塾は実際に結構あります。
ブラックではない塾はどうか?
以下、私の塾を含め、ブラックではない塾の様子です。
【労働時間】
私の会社の場合、社員講師なら毎日8時間で帰れますし、講習期間でもたまに9時間働くことがあるくらいです。
教室長の私は日によって5時間~12時間くらいです。
5時間って何?って思うかもしれませんが、私の場合勤務時間をある程度コントロールできる権限を与えられているので、忙しさに応じて変えています。
自分で決められるので「長時間動労キツイ」って思うことはありません。
忙しいときに12時間働くことは他の業種でもあるのではないでしょうか。
【休日の数】
たまに休日出勤はあるものの、基本週休2日で、夏休みやゴールデンウィークは1週間ずつ休めます。
有給は時期によっては取りにくいと思いますが、入試直前に有給取れなくても不満に思う人はそんなにいないでしょう。
【残業代】
そもそも私の会社では社員講師はほぼ残業がないですし、仮に残業や休日出勤した場合にはきちんとその分支給されます。
教室長の私は固定残業代で働いているので、残業する日があったら他の日に遅く出勤するなど自分で決めて管理しています。
決められた残業時間をオーバーしたら(効率よく仕事したらオーバーしないですけど)、残業代もちゃんと出ます。
また、最近は塾がブラックだって叩かれやすくなっているので、残業代不払いはすぐに労基署に怒られます。
よってきちんと支給されるところが多くなってきています。
【営業圧力】
私の会社では一切ありません。
(これは、私が「文句を言われないように一定以上の売り上げ・生徒数を確保しよう」と意識し、実現できているからかもしれません。生徒少なかったら言われるのかな。)
また、某県の某塾では「講師は教務に集中すべし」という考えにより、講師が営業することはないらしいです。
【給与】
首都圏で見てみると、専任講師の場合、初任給だと集団塾で月18万~23万、個別指導塾で月16万~22万くらいが多い印象です。
教室長など管理職やその候補の場合、集団・個別とも18万~25万スタートでしょうか。
厚労省の調査によると2018年度の大卒初任給の平均が20万6,700円だそうですので、そんなに少ないわけではなさそうです。
ただ、地域差が大きい部分だと思いますので、場所によってはもっと少ないところもあるかもしれません。
ブラック塾を回避する方法
塾に就職したいけど、ブラックなところにはいきたくないなー
みなさんこのように考えると思います。
どうすれば回避できるか。
ポイント
①求人条件をチェック
②就職・転職口コミサイトをチェック
③面接で聞いてみる
④転職エージェントを活用する
⑤裏ワザ!保護者のふりして情報収集
【求人条件】
チェックすべきは下記です。
- 初任給が極端に低い・高い
- 残業代が固定かどうか、固定の場合の額
- ボーナスの有無
- 使用期間が長すぎないか
- 年間休日
- 研修制度の有無
これらは公になっていることが多いので、しっかりチェックしてブラック回避しましょう。
【口コミサイト】
メジャーなとこだと「転職会議」や「カイシャの評判」などですね。
離職率などオープンでない情報はこの辺りから仕入れる必要があります。
また、求人条件とのズレがある場合にも参考になります。
ただ、規模が小さい塾だとあまり情報がないかもしれません。
【面接で聞いちゃう】
もちろん、「ブラックですか?」って聞いても誰も「はいそうです!」って言いません。
平均勤続年数や残業の有無、残業代の有無、休日取得状況、研修期間などは質問しても問題ないでしょう。
突っ込んだ質問がしにくい人は、
御社で活躍されているのは、どのような年代の方が多いですか?
と聞いてみるといいかもしれません。
定着率の悪いブラック塾は平均年齢が低いと思います。
【転職エージェント】
転職エージェントのアドバイザーも離職率など裏の情報を教えてくれるかもしれません。
案件数・実績豊富でサポートも充実しており、登録無料ですので、活用してみてもいいかもしれませんね。
【保護者のフリして電話調査!】
これが結構おすすめな方法なんですが、普通に子供を入会させたい保護者のフリをして情報を得ることができます。
講師の方はどんな方ですか?ベテランですか?経験豊富な先生に見ていただきたいんです。
研修には力入れてますか?大学生はちょっと不安で…
教室長や講師のかたの入れ替わりはありますか?ウチの子人見知りなんで長く見ていただきたいと思いまして。
このような質問をしてみてください。
働く人の満足度が高ければ長く働く講師が多いと思いますし、キチンと研修しているかどうかも分かります。
さらにブラック塾だとそのような問い合わせの電話に対してしつこく勧誘することもありますので、「あとからしつこい勧誘電話が来たら応募しない」っていう判断もできます。
(1回くらいはどこの塾でも連絡すると思いますが。)
世の中には一定数のブラック塾が存在しますが、私のようにやりがいをもって、労働環境にも不満を持たずに働ける塾も沢山あります。きっと。
ホワイトな塾で働けると、講師の満足度が生徒・保護者の満足につながり、結果多くの人間の幸せにつながります。
この記事が多くの人たちの幸せにつながれば幸いです。