こんにちは!個別指導塾の現役塾長です。
このページでは、中学3年社会の公民より、「消費生活と流通」について解説します。
・家計の収入と支出の種類
・消費とは?
・流通のしくみ
これらのことが理解できます。
解説の後には復習クイズもありますので、楽しく学んで得点アップを目指してください!
先にクイズにチャレンジしたい人は目次からクイズを選んでくださいね。
では解説です。
家計
家計とは?
家計というのは、収入と支出の活動をとおして、家庭を維持していくことです。
お父さんやお母さんが働いて給料を得て(=収入)、家族が食べる食材を買う(=支出)。
こういう活動のことを家計というわけです。
家計の収入
家計の収入にはいくつかの種類があります。
①勤労所得
②事業所得
③財産所得
④移転所得
この4つを覚えます。
【①勤労所得】
いわゆるサラリーマンの給料がこれにあたります。
役所に勤める公務員の給料も勤労所得です。
【②事業所得】
自分でパン屋さんやっている人とか、開業医の人、農家の人など、自営業を営んで得られる収入のことです。
【③財産所得】
土地を持っていて駐車場として貸し出すと、借りている人からお金をもらえます。
また、会社が発行する株式を持っている場合、会社の業績によっては利益の一部を配当としてもらうことができます。
例えば、100万円分の株式を持っていると1年に5万円もらえたりします。
これが1億円分なら年間500万円になりますので、働かなくても生活できちゃいますね。
このように持っている財産を運用することで得られる収入のことを財産所得といいます。
【④移転所得】
失業したときにもらえるお金(雇用保険)や、一定の年齢に達したらもらえるお金(年金)などがこれにあたります。
「生産に関係しない所得」と言われたりしますが、これは言い換えると「働かなくても政府などからもらえるお金」ということになります。
家計の支出
支出にもいくつかの種類があります。
①消費支出
②非消費支出
③貯蓄
この3つを覚えます。
【①消費支出】
これは「頑張れば節約できるもの」と覚えましょう。
食費、住居費、交通費、通信費などがこれにあたります。
ご飯は我慢すれば節約できますし、交通費も歩けば節約できますね。
払うかどうかを自分で決められるものと言い換えることもできます。
【②非消費支出】
これは消費支出とは逆に、「節約できないもの=払わなければならないもの」です。
税金や社会保険料がこれにあたります。
社会保険料には雇用保険や医療保険、年金などが含まれます。
ん?さっき移転所得のとこでも年金って言ってたな。
収入でも支出でもあるってどういうこと?
これはですね、
健康で働いている人は年金を払います。つまり支出です。
そしてもう働けなくなったお年寄りは年金を受け取ります。つまり収入です。
立場によって年金は収入にも支出にもなるということです。
働く人たちがお年寄りを支える仕組みであることが分かりますね。
【③貯蓄】
支出の3つ目は貯蓄です。
これは使っておしまいではなく、後で使えるお金です。
銀行などに預ける預貯金はイメージしやすいですね。
それ以外には生命保険料や株式などが当てはまります。
生命保険というのは、民間企業がやっている制度で、「毎月いくらか払っておいて、自分が死んだら保険会社が家族に1億円支払う」などというものです。
毎月支出がありますが、後から使えるお金となって返ってくるので貯蓄になります。
これらも非消費支出とは異なり、払うかどうか(契約するかどうか)を自分で決めることができます。
社会保険料と生命保険料は間違えやすいので注意しましょう。
社会保険料⇒非消費支出=払わなきゃダメ
生命保険料⇒貯蓄=払わなくてもOK
消費生活
消費生活とは?
私たちは日々食料を買って食べていますね。
また、移動するのに電車賃を払ったり、スマホを利用するのに通信費を払ったりしています。
このように日々の生活の中で何かに対してお金を払い、それを食べたり利用したりすることを消費生活といいます。
食料や衣服など形のあるものを財といい、医療や通信など形のないもの(=何かしてもらうこと)をサービスといいます。
消費生活の変化
少し前までは、モノを買うときにはお店にお金を持っていき、そのお店で購入するのが普通でした。
しかし、インターネットの普及によりお店に行かずに買い物ができるオンラインショッピングが急速に増加してきました。
実際、楽天・アマゾンを使えば、生活に必要なものは大抵買うことができちゃいます。⇩
また、お店で買う場合にも支払い方法が多様化してきました。
みなさんはコンビニで買い物をするときにどのように支払いをしますか?
現金はもちろん、クレジットカードや電子マネーなど様々な支払い方法がありますね。
近年では政府も現金を使用しないキャッシュレス化を推進しています。
消費者問題
オンラインショッピングでお金払ったのに商品が届かないよ…
クレジットカード使いすぎちゃって、このままじゃ自己破産するしかないか…
消費生活ではこのようなトラブルが起こることがあります。
他には、マルチ商法、キャッチセールス、アポイントメントセールスなどの悪徳商法による被害などもあります。
消費者の権利
アメリカのケネディ大統領(1963年にパレード中に銃撃されて暗殺されています)が、消費者に認められるべきだと考えた4つの権利です。
①安全を求める権利
②知らされる権利
③選択する権利
④意見を反映させる権利
「消費者には権利があるのだ」ということは大事なんですが、この4つの内容はそれほど問われません。
消費者保護
消費者の権利を守るための役所、法律、制度などが整備されてきています。
【消費者庁】
2009年に設置された、消費者に関する仕事をおこなう組織です。
【クーリングオフ制度】
例えば訪問販売で、
この30万円の布団買ってくれるまで帰りませんから!
などと欲しくもないのに買わされてしまった場合などに、8日以内なら違約金なしに消費者が一方的に契約を解除できるという制度です。
基本的には訪問販売や電話勧誘などで購入したケースなどが対象となり、店舗で契約した場合はクーリングオフは適用されませんが、エステや塾など一部の業種ではクーリングオフができます。
私の教室でもごく稀にクーリングオフによる契約撤回の申し出があります。
【3つの法律】
①消費者基本法
「国や地方自治体が消費者保護のために必要なことをやる」
②製造物責任法(PL法)
「製品の欠陥により消費者が被害を受けた場合、過失の有無にかかわらず製造者が被害救済をする」
③消費者契約法
「事業者が契約のときに不適切な行為を行ったときに契約を取り消せる」
「消費者の権利を不当に害する契約は無効」
例えば、ガソリンスタンドで給油したときに、
タイヤの溝減りすぎっす!
このままだと危険ですからタイヤ買いましょう!
などと言われたとき。そこまで危険な状態でないのにもかかわらず不安を煽って買わせた場合などは取り消すことができます。
流通
流通とは何か
テレビを買うときにテレビ工場には行きませんよね?
実際には下のような流れで消費者のもとにたどり着きます。
工場で生産
⇩
卸売業
⇩
小売業
⇩
消費者
このように商品が生産者から消費者に届くまでの流れのことを流通といいます。
商業
【小売業】
スーパーやコンビニなど、商品を消費者に販売する業種です。
【卸売業】
生産者から仕入れた品物を小売業に売る仕事です。
卸売業や小売業など、流通を担う産業を商業といいます。
家電量販店などは、卸売業を介さずに生産者から直接大量に仕入れることで、経費を抑えて安く売れるようにしています。
また、POSシステムという仕組みも用いて流通の合理化(=無駄をなくす)が進んでいます。
POSシステムというのは、商品が売れたときの情報をすぐに集計して商品管理や販売計画に役立てる仕組みだよ!
コンビニで「ツナマヨおにぎりがたくさん売れるから多めに仕入れよう」などの判断に役立っているよ!
解説は以上です!
ここからは復習クイズ!頑張ってみてください!
中学3年社会(公民)【消費生活と流通】クイズ15問
クイズは以上です!