こんにちは!
個別指導塾の現役塾長です。
このページでは中学社会の公民から「内閣」について、テストに出る重要ポイントを解説しています。
解説の後には復習クイズもありますので、知識の定着にも役立ちます。
それでは早速いってみましょう!
内閣のしくみと仕事
内閣とは?
簡単に言えば、国会により決定されたことを実行する組織です。
例えばコロナ給付金。
まず「国民全員に10万円給付しよう」と国会で決定しますね。
その後総務省がホームページで国民に知らせたり、振り込みなど事務手続きを地方自治体にお願いしたりしました。
そうして一人ひとりに10万円が支給されたわけなんですが、
この「みんなに10万円行き渡るまでの仕事」を取り仕切っているのが内閣なんです。
国のお金を動かすわけですから、財政の仕事を担う財務省も関係しています。
給付金にかかわる法律もできましたから、法務省にも関係があります。
これらの○○省の長を国務大臣というのですが、
「内閣=内閣総理大臣と国務大臣で構成されている組織」なのです。
そして内閣総理大臣とすべての国務大臣は文民でなければならないと定められています。
(文民とは軍人でない人のことです。)
内閣の仕事は?
上で述べたように国会が決定したことを実行するのが一番重要な仕事(下の①)ですが、他にもいろいろあります。
①法律・予算の執行
②法律案・予算の作成と国会への提出
③天皇の国事行為に対する助言と承認
④政令の制定
⑤条約の締結
⑥最高裁判所長官の指名とその他の裁判官の任命
⑦受刑者の刑の減免
【②法律案・予算の作成と国会への提出】
実行する立場なので、
「こういうところにお金使えるといいな」
「こういう法律作るべきじゃない?」
という考え(案)が出てきます。
その案を整えて国会に提出し、国会で審議してもらいます。
【③天皇の国事行為に対する助言と承認】
天皇は政治に口出しすることができません。
飾りみたいなものです。
しかし国の代表としてすべき仕事もあります。
例えば「こんな法律できたよ」って国民に知らせることとか。
その天皇が行う仕事=国事行為です。
どんな仕事を天皇にやってもらうかを決定するのが、内閣の重要な仕事ということです。
【④政令の制定】
政令というのは、内閣の仕事を進めるための決まりのことです。
【⑤条約の締結】
条約とは国家間の合意のことです。
貿易に関するものや核兵器に関するものなどいろいろあるんですが、それを結ぶのが内閣の仕事です。
条約の締結⇒内閣の仕事
条約の承認⇒国会の仕事
間違えやすいところですので、しっかり区別して覚えましょう。
【⑥最高裁判所長官の指名とその他の裁判官の任命】
最高裁判所には15人の裁判官がいますが、その中の長を長官といいます。
この長官を指名するのが内閣の仕事です。
最高裁判所長官の決め方
内閣が指名
天皇が任命
議院内閣制
議院内閣制とは?
内閣は国会の信任にもとづいて成立し、国会に対して連帯して責任を負う
というしくみです。
この文章自体がすごく重要ですので、このまま覚えてしまった方が良いです。
でもこの文章だと何のことかよく分からない人もいるかもしれませんね。
もうちょっと簡単に言えば、国会と内閣につながりがあるということなんです。
実際、内閣を組織する人たち(総理大臣と国務大臣)は、大体国会議員です。
内閣総理大臣は国会議員の中から指名することや、国務大臣の過半数は国会議員でなければならないということが定められています。
これにより国会と内閣は協力関係を保ちやすくなっています。
抑制と均衡の関係
「国会の信任にもとづいて…」という文章からもわかるように、国会は内閣を信頼しているんです。
しかし、一部の国会議員たちからなる内閣の仕事ぶりに、
今の内閣信頼できないわー
と考える人が増えた場合、国会は内閣不信任を決議することができます。(これは衆議院だけに認められている権利で、参議院はできません)
内閣不信任
内閣 ⇐ 国会
内閣不信任案が可決されると、内閣は10日以内に衆議院を解散するか、総辞職をしなければなりません。
逆に内閣は、
我々のやっていることが正しいかどうか、国民に判断してもらおう!
衆議院を解散して選挙しなおして、内閣も作り直そう!
と、衆議院解散を決定することができます。
衆議院解散
内閣 ⇒ 国会
このように国会と内閣は互いに抑制しあってバランスをとれる関係なのです。
行政の肥大化と改革
行政の肥大化とは?
簡単に言えば、
「国がやらなきゃいけない仕事が増えすぎた」
ということです。
仕事が増えると、いちいち国会で〇か✖か審議するわけにもいかず、
「細かいことは○○省で決めちゃっていいよ」
という流れになります。
また、行政の仕事が増えると多くの公務員を必要としますし、そうすると費用もより多くかかってしまうということです。
行政改革
大きくなりすぎた行政の仕事を軽くすることを行政改革といいます。
主な行政改革
①事業の合理化
②規制緩和
③地方分権
【①事業の合理化】
国営・公営の事業を再編・統合したり、民営化して行政の仕事を軽くします。
例えば過去には郵便局が国営から民営化されましたね。
【②規制緩和】
許認可権を見直し、規制を少なくして自由な競争を進めることです。
【③地方分権】
地方に関する決定権や仕事をするために必要なお金など、国がもっているものを地方に移して、住民に必要な行政サービスをその地域で決定できるようにすることです。
国の負担を減らして地方に任せちゃおうってことですね。
解説はここまでです。
ここからは復習クイズです。頑張ってくださいね!
公民「内閣」クイズ12問
最後までお読みいただきありがとうございました!
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