この記事では、塾の定期面談で聞いておくべきこと、伝えることなどについて、2,000回以上の面談を経験した現役塾長が説明します。
まずは塾からの報告を聞きましょう
【テスト得点】
・入会時の目標に対する到達度合い
・(5科受講でない場合)非受講科目の得点状況
・生徒の感想・意見
【模試結果】
・模試や実力テストの得点・偏差値
・志望校判定
・目標への道すじ(短期・長期)
【授業中の様子】
・集中して授業を受けられているか
・疑問点がそのままになっていないか
・理解のスピードはどうか
・講師とのコミュニケーション
・表情(笑顔で受けてるとか、元気ないことがあるとか)
【講習の提案】
・次の季節講習で何をどのくらい行うか
・その根拠
【宿題への取り組み】
・未実施のことがないか
・正答率
・きちんと覚えているか
【その他】
・個別に気になること
・約束したことに対する進捗状況
・紹介に対するお礼 などなど
面談時間を10分くらいで設定している塾ではそんなに細かく話をされないかもしれませんが、大体このような話をされると思います。
時間の制約がないのに上のような話がない場合は「おや?」って思っていいでしょう。
これらの報告を受けるときのポイント。
「目標未達の場合、何が原因で、今現在どんな対策をとっているか」の報告があるかどうかをよく聞いておきましょう。
日頃から目標を生徒と共有してそれに向けて動いている塾は、面談があろうとなかろうと必要な対策を講じて実行しているはずです。
力のない塾や経験の浅い塾長は、面談で保護者に指摘されて初めて、「今後はこういう風にしていきます」と対策が出てきます。
もっとひどいと解決策が提示されないかもしれません。
簡単な例で言えば、
×「計算ミスが多いんです」
〇「計算ミスが多いので、必ず途中式を書くように指導し、宿題でも計算練習を多めに設定しています。」
「今こういう対策をとっています」と言えるかどうかは、マトモな塾かどうかの判断に使えるんじゃないかと思います。
保護者から伝えること
上の報告が納得いくものであったり、成果に満足している状況であればそんなに伝えるべきこともないんです。
さっさと終わりにしてもかまいません。
中学入試の小学生なら「家でどんなサポートをすべきか」くらいは聞いたほうがいいかな。
一方、不安や不満が少しでもあるようならそれをすべて伝えましょう。
もしかしたら教室責任者や担当講師も気づいていない部分があるかもしれません。
多少言いにくいことであったとしても、私なら「言いにくいこと言ってくれてありがとう」と思います。
何も言わずにいきなり退塾のほうがよっぽどイヤです。
大事なのは不安・不満が出たあとの解決策です。
塾側の具体的な行動としての解決策を求めてください。
すぐ解決できることならお願いすればいいですし、解決に時間がかかることなら、次の面談時に進捗を確認しましょう。
良くない塾だと「そんな話ありましたっけ?」ってなるかもしれません。そうなったら怒っていいです。
ただ、数学10点で入塾した生徒の3か月後の面談で「次のテストで80点取らせてください!」と言われると困ってしまいます。
塾にもできることとできないことがあります。
面談での話(具体例)
「この前の数学のテスト、点が落ちてしまいましたが、何が原因ですか?」
→原因を聞くことで塾側に原因分析と対策を求める効果があります。
「志望校合格のために必要なことは何ですか?」
→これも上と同じく必要なことを塾や担当講師に考えさせる効果があります。
(しっかりした塾ならすでに必要なことを把握し、実行していると思いますが。)
「今の状態からだと何点くらいまで目指せそうですか?」
→塾側は経験や実績から、「このタイプの生徒なら最終的にこのくらいまでは伸びそうだな」というところがわかります。
(その予測通りにならないことも、もちろんあります。)
一方保護者の方たちの感じ方はかなり色々で、塾側からすると無謀と思われるレベルに、お金を払っているんだから当然達すると思ってらっしゃる方もいます。
そうなると、塾がどんなに頑張って成果を出しても、保護者の求めるラインに到達せずに不満を持たれてしまうことがあるのです。
そういう認識のズレを上の質問によって解消できます。
「おかげで点数が伸びました。ありがとうございます!」
→お金をいただいているので成果を出せて当然と思っていただいていいですし、こちらも必ず成果を出すつもりで指導するんですが、良い結果がでて感謝されると素直に嬉しいです。
こんなこと言うと感謝を求めているように思われるかもしれませんが、感謝の言葉がなくても指導に違いが生じることはありませんのでご安心ください。
本当に喜んでもらえていれば自然と感謝の気持ちは言葉に表れてくると思っていますので。
参考になりましたでしょうか。塾長や講師も人間です。ミスもしますし気が付かないこともあります。
そういうところはしっかり指摘してください。
面談での話が有意義なものになり、結果的にその後の指導にプラスになることをお祈りします。