個別指導塾って講師たくさんいるけど、教室長はどうやって管理しているんだろう?
この記事では、「教室長の仕事として講師マネジメントをどのように行っているのか」という点についてお伝えします。
書くのは個別指導塾での塾長歴15年の現役塾長です。
教室長の仕事に興味のある方は是非参考にしてください!
募集・採用
募集のしかた
まずは講師の数を確保しなければなりません。
募集するにはいくつかの方法があります。
①講師募集媒体
②大学での掲示
③紹介
④卒塾生
①は塾講師JAPANや塾講師ステーションなどの採用すると費用が発生する媒体や、タウンワーク、バイトルなど応募がなくても費用がかかる媒体を使います。
少し前まではフリーペーパーや新聞折り込みも結構使っていたんですが、最近は専らWEBです。
これらに掲載しようとしたとき、仕事としてはすごく簡単だしすぐ終わるんですが、予算の都合などによりいつ、どのくらいの費用を使ってどの媒体で募集するのかを考えるのが少し大変です。
直営教室だったりすると、本部で一括してやっていて、これらの仕事を教室長が行わないこともあります。
②の大学での掲示は、近所に大学がある場合にはおすすめです。
無料または格安で掲示できます。
最初だけ少し手間がかかりますが、更新や修正は電話やFAXでOKだったりするので、大変な仕事ではありません。
個人的には③(紹介)と④(卒塾生)の方法で来てもらうのがありがたいですね。
実際私のところでも卒塾生講師の割合はかなり高いです。
募集コストゼロで済むのは経営上かなり大きいです。
そのために何をしているかなんですが、講師に向いていそうな在塾生に早めから声をかけておくだけですので、仕事とも言えないくらいです。
採用のしかた
上の③や④の方法だと選考に迷うことはありませんし、採用も書類の手続きをするだけですので、負担になることはありません。
一方、募集媒体からの応募の場合は結構エネルギーを使います。
①応募してくれた人に電話・メールでアポをとる
②できるだけ近い日程で面接を行う
③書類・テスト結果・面接結果をもとに採用するか考える
④採用を通知すると当時に初回研修日を決める
特に書類・面接での見極めを慎重に行います。
一人の講師が抱える問題が、教室全体に波及することがありますので。
講師研修
初期研修
・システム説明
・授業見学
・模擬授業
定期研修・OJT
・講師のスキルアップ
・講師の意識アップ
・情報の共有
安定した教室運営のためには、講師の教育にはかなりエネルギーを使う必要があります。
開校したての教室などであれば、すべての仕事のうち、40%くらいは講師の教育のために時間とエネルギーを使ってもいいと思います。
生徒数も安定していて、歴の長い講師が多かったりすると、そんなにエネルギーを使わなくても済むようになります。
個別指導塾の多くは、大部分の授業を教室長以外の講師が行うので、講師たちが実績と評判をつくることになります。
講師たちの質を一定以上にキープすることは教室長のもっとも重要な仕事の一つと言えます。
シフト管理
多くの個別指導塾では曜日固定制になっていると思います。そのため1回決めてしまえば後からすることはありません。
イレギュラーに講師が来られない日が出てきたりすると、他に出勤できる講師がいないか確認したり、出勤を打診したりする仕事が生じます。
また、
講師ちょっと合わないみたいなので変更してくれません?
とか言われることもありますので、その時には相性などを考慮して担当講師を決めなおします。
仕事としては一瞬で終わりますが、講師の空き状況に余裕がないときには頭の痛い問題となります。
それから一番大変なのは講習期間のスケジュール組みです。
これは講習前に徹夜でやる教室長もいます。
組みあがった後に講師から「すみません、この日行けなくなっちゃいました…」とか言われると青ざめます。
労務管理
給与計算や出退勤管理、休日管理などです。
給与計算については、お金の話なので絶対に間違わないように気を使いますが、作業自体は毎月同じことをやるだけなのでそれほど負担にはなりません。
モチベーション管理
生徒の成績を上げるためには講師が前向きに意欲的に仕事をしていくことが必要なので、そのために教室長は気を配ります。
A先生、最近疲れてるみたいだけど大丈夫?
B先生のおかげで太郎君のテスト爆上げだったよ!B先生最高!
C先生の指導がとても分かりやすいってお母さんが面談で言ってました!
など、日ごろからできるだけ講師に声をかけるようにします。
・ほめること
・感謝すること
・講師の立場に立って話をすること
この辺りを心掛け、気持ちよく働いてもらえる環境を作ります。
もちろん、改善が必要な場合にはしっかり指導しますけどね。
たまには一緒に食事をし、日ごろ語られない愚痴を聞いたり、一緒に遊んで純粋に楽しんだりもします。
2-6-2の法則を意識
「2-6-2の法則(にーろくにのほうそく)」の意味や使い方
どのような組織でも、2割の人間が優秀な働きをし、6割の人間が普通の働きをし、2割の人間がよくない働きをするという法則(経験則)を意味する語。ビジネス書などで引用されることが多い。起源は諸説あるが、松下幸之助が提唱したともいわれている。人間だけでなく、アリやハチの社会でも同様の現象が確認されるといわれることもある
Weblio辞書より
この「優秀な2割」には他の講師より時間をかけて接し、高いパフォーマンスを引き出します。優秀な2割が引っ張っていく教室にすると講師間教育が出来たりして安定した運営が可能です。
講師全員のレベルを一定以上にすることを目指しますが、限られた時間の中で効率よく講師の指導力を向上していかなければならないため、意識していくポイントとなります。
いかがでしょうか。いろいろと考えることや、すべき作業がありますね。参考にしていただければ幸いです!