うちの子、集団指導には向いてないと思うんだけど、個別指導塾と家庭教師だとどっちがいいんだろう?
このようなお悩みを抱えている方。
大手個別指導塾の現役塾長(歴15年)が比較・解説します。
この記事を読むと次の内容が理解できますので、参考にしてください。
・料金の違い
・講師の質の違い
・受験情報量の違い
・その他のそれぞれのメリット
個別指導塾の塾長が書いていますので、少し個別指導塾寄りの書き方に見えるかもしれませんが、極力客観的に比較しました。
料金の違い
もちろん色んな塾や家庭教師がありますので、一概には言えませんが、多いパターンを書きます。
個別指導塾の場合
80分や90分授業をしているところが多いと思いますが、1コマ単価は中高生で大体3,000円~5,000円です。
60分あたりに換算すると、2,000円から3,300円ほどですね。
さらに設備費・教材費等で月額換算で2,000円から5,000円ほど加算されます。
例えば中3生で90分授業を週2回受ける場合(週に180分)、授業料・設備費・教材費込みで税込み月額25,000円~35,000円前後になります。
家庭教師の場合
60分、90分、120分など、授業時間は自由に選べる場合が多く、料金も中高生の
60分あたりで3,000円~8,000円ほどと、かなり幅があります。
上と同様に中3生で週に180分授業を受けると、授業料で50,000前後、管理費や先生の交通費を含めると月額55,000円ほどになります。
結論:普通は個別指導塾のほうが安い
上の比較のとおり、普通は個別指導塾のほうが安いです。
ただ、注意しなければならないのは、個別指導塾は1対2とか1対3で指導することもよくあります。
1対3で30,000円の場合と1対1で50,000円の場合を比較すると、純粋な指導時間に対する対価としては1対1で50,000円のほうが安いこともあり得ます。
塾が遠い場合に交通費がかかる場合や、時間コストを考えると、家庭教師のほうにメリットがある場合もありますので、そのあたりも含めてよく検討する必要があります。
講師の質
個別指導塾の場合
学歴については幅広く在籍しています。
そして個別指導塾にはマニュアルや研修システムがありますので、講師の質が一定以上に保たれます。
授業の内容・進度を講師が考えるシステムだとしても、教室責任者のチェックが入りますし、同僚の講師との相談・共有もできます。
つまり当たりハズレが少ない仕組みと言えます。
家庭教師の場合
家庭教師のほうが「学歴で選ばれる」という傾向が強いので、高学歴な人は個別指導塾より多いかもしれません。
一方、カリキュラムや授業内容については家庭教師センターがザックリとした方針を示してくれる場合もあるんですが、基本的に講師に丸投げです。
これは断言できますが、家庭教師始めたての人が、いきなり中長期的な視点をもって授業内容を組み立てていくことは不可能です。
つまり、経験を積んでいる家庭教師でないと、思うような成果が出ないことがあります。
「学力がある=指導力がある」は成立しません。
結論:個別指導塾のほうが質が均一である
個別指導塾の塾長としては、講師の質について家庭教師には負けない自信があります。
研修にも力を入れますし、常にチェックして質の向上を図っていますから。
もちろん、中には素晴らしい指導力をもって、実績も出している家庭教師の方もいらっしゃると思います。
そういった素晴らしい家庭教師を探すのは労力と運と、場合によってはお金が必要だと思います。
プロ家庭教師を指定したりすれば、料金は高いかもしれませんが、指導の質は高いハズです。
受験情報
個別指導塾の場合
塾長が年間で100回以上面談を行い、受験情報を保護者の方に提供しますので、地域の受験情報にかなり詳しくなります。
また、模試会社から受験データブックももらえますので、具体的な数字を用いた受験指導ができます。
それから一般の方はあんまりご存じないかもしれませんが、私立の学校はよく「塾向け説明会」を開いて情報をくれます。
以上の点より、ご家庭が欲しい情報については不足なく提供できます。
家庭教師の場合
以前は「家庭教師は情報が少ない」と思われることも多かったのですが、比較的大きい家庭教師派遣会社はしっかりサポートしているようです。
特に、塾が母体の家庭教師センターの場合は、その塾でのノウハウを提供することができるため、情報が少ないと感じることはなさそうです。
面談や電話でのサポートが全くない塾では、欲しい情報がもらえないかもしれません。
結論:もらえる情報量に大差はなさそう
上のとおり、必要な受験情報が不足なく提供されるか、という点については大きな差はないと言えるでしょう。
ただ、家庭教師センターは定期的な保護者面談をしない場合も多いですので、対面でじっくり話ができるという点で、少しだけ個別指導塾のほうが有利だと考えることもできます。
その他のメリット
個別指導塾の場合
・自習サポートができる
・ライバルと競える
・地域の学校のテスト対策が得意
家庭教師の場合
・移動時間がゼロ
・保護者が指導内容を把握しやすい
・完全1対1の指導
・講師変更がすぐに、気軽にできる
・特殊な事情や要望に対応できる
(必ず東大生に教わりたいとか、志望校の出身者に指導してほしいとか。)
まとめ
ここまで書きましたように、個別指導塾と家庭教師にはそれぞれ良い点があります。
一人ひとりの考え方や状況が異なる中で、「どっちがいいか」という話をすることはできません。
大切なのは、違いを理解したうえで選択するということです。
問い合わせの段階でメリット・デメリットをきちんと把握し、できればすべての選択肢で体験授業も受け、納得いく判断をするのがいいでしょう。
よい塾選び・よい家庭教師選びの参考になれば幸いです。