こんにちは!個別指導塾の現役塾長です。
このページでは中2理科の「人体」より、消化・吸収について解説します。
テストや入試に出やすいポイントを厳選してまとめており、後半には復習クイズもありますので是非活用してください。
先にクイズにチャレンジしたい人は、目次からクイズを選んでくださいね!
消化の解説
【キーワード解説】
消化器官
=食物から養分を体内に取り入れる働きをもつ部分
消化管
=口→食道→胃→小腸→大腸→肛門の一本の長い管
養分
=炭水化物(デンプンなど)・タンパク質・脂肪などの有機物のほか、カルシウムなどの無機物のこともいう
消化液
=消化管を通る食物を分解する液
消化酵素
=消化液に含まれる、養分を分解する物質
・アミラーゼ(だ液に含まれる)
デンプンを分解
・ペプシン(胃液に含まれる)
タンパク質を分解
・トリプシン(すい液に含まれる)
タンパク質を分解
・リパーゼ(すい液に含まれる)
脂肪を分解
ヨウ素液
=デンプンに反応して青紫色に変化する液
ベネジクト液
=ブドウ糖、麦芽糖などの糖に反応して赤褐色沈殿を生じる液
(加熱が必要)
消化酵素は体温に近い温度である40℃くらいで最もよく働きます。
ここからはデンプン・タンパク質・脂肪それぞれの分解の仕組みを見ていきます。
【デンプンの分解】
①だ液中のアミラーゼがデンプンを麦芽糖に変える
②すい液中のアミラーゼがデンプンを麦芽糖に変える
③腸液中のマルターゼが麦芽糖をブドウ糖に変える
【だ液のはたらきを調べる実験】
試験管A:デンプン+だ液(40℃くらいに保つ)
試験管B:デンプン+水(40℃くらいに保つ)
試験管C:デンプン+だ液(5℃くらいに保つ)
試験管D:デンプン+水(5℃くらいに保つ)
Aはデンプンがだ液により糖に分解されます。
そうするとAの試験官内にはデンプンはなくなってしまっているので、ヨウ素液には反応しません。そして糖ができているのでべネジクト液を加えて加熱すると赤褐色沈殿ができます。
一方Bの試験官ではデンプンが分解されずに存在するためヨウ素液が青紫色に変化します。そして糖はできていないのでべネジクト液には反応しません。
Aだけではだ液によって分解されたのか、放っておいても分解されるのかわかりませんね。Bと比較することにより、「だ液が存在すると分解が起こる」と言えることになります。
このように条件をかえて比べることで、ある出来事の原因を調べることを対照実験といいます。
Cはだ液が入っていますが5℃にしています。実はこの温度ではだ液がうまくはたらくことができません。デンプンが存在したままで糖はできていないので、ヨウ素液・べネジクト液の反応はBと同じです。
Dも当然分解されませんので、Bと同じ反応です。
AとCを比較すると、「だ液が良くはたらくのは40℃くらいのときである」と判断することができますね。
【タンパク質の分解】
①胃液中のペプシンがタンパク質をちょっと分解
②すい液中のトリプシンがさらに分解
③腸液中の酵素でアミノ酸という物質まで分解
【脂肪の分解】
①胆のうから出てきた胆汁が、脂肪を水と混ざりやすい状態に変化させる
②すい液中のリパーゼが脂肪を脂肪酸とモノグリセリドに分解
胆汁は肝臓で作られて胆のうに蓄えられます。消化酵素を含まないため、「脂肪の分解を助けるはたらき」と出てきます。
リパーゼは胃液にも含まれますが、ほとんどの問題では「リパーゼ=すい液に含まれる」と出てきますので、そのように覚えてしまって問題ありません。
これらをまとめると次の表のようになります。
デンプン | タンパク質 | 脂肪 | |
---|---|---|---|
だ液 | 〇 | ||
胃液 | 〇 | ||
(胆汁) | (〇) | ||
すい液 | 〇 | 〇 | 〇 |
小腸 | 〇 | 〇 |
胆汁は消化酵素を含まず、分解しているわけではないので、カッコ書きです。
吸収の解説
【キーワード解説】
柔毛
=小腸の壁にある沢山のひだにある突起
グリコーゲン
=吸収されたブドウ糖が肝臓に運ばれ、蓄えやすい形に変えられたもの
リンパ管
=毛細血管とともに小腸で吸収した養分を運ぶ管
消化液によって消化された養分は小腸の壁から吸収されます。
小腸の壁にはたくさんのひだがあり、そのひだにさらに小さな突起が無数にあります。
なぜこんな構造をしているのでしょう?
答えは「小腸の表面積が大きくなり養分を吸収しやすくなるから」です。(この理由はとても問われやすいです。)
そして吸収された養分は全身に送られて細胞の呼吸や成長に使われます。
【どのように運ばれるか】
ブドウ糖とアミノ酸:柔毛の毛細血管→肝臓→全身の細胞
脂肪酸・モノグリセリド:柔毛のリンパ管→血管→全身
ブドウ糖の一部は肝臓で蓄えられたり、アミノ酸の一部は肝臓でタンパク質に作り変えられたりします。
このことから、小腸から肝臓までの血管に最も養分が多く含まれていると言えます。(これも頻出です。)
養分の種類によって吸収されるときに入っていく管がことなるので注意しましょう!
解説は以上です!
それではクイズで復習してみましょう。
Good Luck!
中2理科 人体「消化・吸収」クイズ 16問
解説・クイズは以上です!