こんにちは!個別指導塾の現役塾長です。
このページでは、中学理科の生物より、「遺伝」について解説します。
後半では復習クイズもありますので、テスト勉強や受験勉強にお役立てください!
先にクイズにチャレンジしたい人は、目次からクイズを選んでくださいね!
形質と遺伝
遺伝の実験に関する重要キーワード
①自家受粉
②純系
③交配
①自家受粉
花にはおしべとめしべがありますね。
そしておしべの先っちょには「やく」という花粉が入っている袋があります。
自家受粉というのは、花粉が自分の花のめしべの柱頭にくっつく(受粉する)ことです。
例えば花粉がミツバチによって運ばれて、他の花のめしべにくっつくと、自家受粉ではありません。(他家受粉といいます。)
②純系
自家受粉によって子の代、孫の代、ひ孫の代と重ねていったときに、代々同じ形質しか現れない系統のことです。
③交配
2つの個体間で受粉・受精することです。
優性の形質と劣性の形質
形質の異なる2つの個体が交配したときに、子に現れる形質を優性の形質といい、子に現れない形質を劣性の形質といいます。
例えば血液型について、父からA型を受け継ぎ、母からO型を受け継ぐと、子はA型になります。このとき、A型が優性、O型が劣性ということになります。
「O型が劣っている」というわけではありません。このような誤解を招かないよう、優性・劣性を今後は顕性・潜性としていく流れのようです。
このように子に一方の形質のみが現れることを、「優性の法則」といいます。
分離の法則
生殖細胞を作るときには減数分裂をします。
(詳しくはこちら⇩を参考にしてください)
【分離の法則】
「生殖細胞ができるときに、対になっている遺伝子は分かれて、別々の生殖細胞に入る」という法則
マツバボタンという花は、代々赤い花の純系と代々白い花の純系があります。
この2つを交配させると子の代では必ず赤い花を咲かせます。
赤い花:優性 白い花:劣性 ですね。
このとき、優性の形質を伝える遺伝子をA、劣性の形質を伝える遺伝子をaという記号で表します。
純系の場合、これが対になって、
赤い花:AA 白い花:aa
と表します。
減数分裂をして生殖細胞をつくるときは、
赤い花からできた生殖細胞Ⓐ
白い花からできた生殖細胞ⓐ
このようにペアになっていた遺伝子が分かれて1つになった生殖細胞ができます。
これを分離の法則といいます。
メンデルの研究
これまで出てきた「優性の法則」や、「分離の法則」はメンデルさんという人が研究して発見しました。
どんな研究をしたのでしょう?
それは、「エンドウ」なんです。
メンデルは、エンドウの種子に丸いものとしわのものがあることに注目しました。
そして、丸の純系(代々丸い種子しかできない)としわの純系(代々しわの種子しかできない)をかけ合わせてみたんです。
そうすると、子の代では丸い種子しかできなかったのです。
そうしてできた子の代の丸い種子をまいて育てると、今度は孫の代の種子が
丸:しわ=3:1
の比になったのです。
これは次のように説明できます。
まず、丸の純系の遺伝子をAAと表します。
そして、しわの純系の遺伝子をaaと表します。
丸の純系は、減数分裂と分離の法則によりⒶという生殖細胞をつくります。
しわの純系は同じようにⓐという生殖細胞をつくります。
これらが受精すると、Aaという遺伝子をもつ子の代が生まれますね。
子の代では丸しかできなかったので、Aが優性、aが劣性ということになります。
そして孫の代ではこのAaとAaどうしでかけ合わせます。
A | a | |
---|---|---|
A | AA | Aa |
a | Aa | aa |
そうすると、AA:Aa:aa=1:2:1の比でできますね。
Aが1つでも入っていれば優性の形質が現れるので、AAもAaも丸い種子になります。
よって丸:しわ=3:1になるのです。
ここまでは、Aaの遺伝子を自家受粉させたときの様子でした。
一方、テストでは「Aaとaaをかけ合わせるとどうなるか」という問題が出ることがあります。
A | a | |
---|---|---|
a | Aa | aa |
a | Aa | aa |
表のとおり、Aa:aa=2:2=1:1となりますね。
表の書き方を覚えちゃいましょう!
解説は以上です。
ここからは復習クイズです。
頑張ってくださいね!
中学理科 生物「遺伝」クイズ10問
クイズは以上です!