個別指導塾の現役塾長です。
このページでは、「世界恐慌」や「満州事変」、「日中戦争」について解説します。
ニューディール政策って何?
柳条湖事件と盧溝橋事件って違いがよくわからんな~
このように感じている人は是非参考にしてください。
先にクイズにチャレンジしたい人は目次からクイズを選んでくださいね!
世界恐慌って?対策は?
1929年の10月24日(暗黒の木曜日と言われています)に、アメリカ・ニューヨークの株式市場で株価が暴落します。
このままじゃワタシの持ってる100万円の株も50万円の価値になっちゃうヨ!
そうなる前に少し損してでも売ってしまうヨ!
このように考える人が増えたため、いろんな会社の株価がいっぺんに下がってしまったんですね。
これをきっかけにたくさんの会社がつぶれ、失業者が増えて大不況(=不景気)になってしまいました。
そしてそれがアメリカのみならず、世界に広がってしまいます。
これを世界恐慌といいます。
各国の恐慌対策
①ニューディール政策(アメリカ)
②ブロック経済(イギリス・フランス)
③計画経済(ソ連)
④ファシズム(ドイツ・イタリア)
①ニューディール政策(アメリカ)
ルーズベルト大統領が、画期的な対応策を実施しました。
それは、テネシー川にダムをつくったりして流域を開発するという公共事業を行うというものです。
不景気の時には失業者が増えて、みんなお金がない状況になりますね。
公共事業をやることによって失業者に仕事を与え、お金が手に入るようになります。
失業者お金もらえる
⇩
欲しいもの買える
⇩
売ってる企業儲かる
⇩
景気回復!!
このような流れにより不景気を脱することができるんです。
このように、公共事業をおこし労働者を保護する政策を、まとめてニューディール政策と呼びます。
②ブロック経済(イギリス・フランス)
☝重要ポイント
イギリス・フランスには植民地があった!!
イギリス・フランスは植民地との貿易を拡大し、他の国の商品に高い関税をかけました。
他国のものは売れず、自分の国のものが売れる仕組みとなり、それにより自国の経済を守ろうとしたというわけです。
世界各地に植民地を持っていたイギリス・フランスだからこそできたことです。
③計画経済(ソ連)
第一次世界大戦中の1917年にロシアで革命がおき、1922年に社会主義国家としてソビエト社会主義共和国連邦という国ができたんでしたね。
細かい説明は省きますが、大事なポイントは、
「社会主義国家は他国が不景気でも関係ない!」
ということです。
ニューディールだのブロック経済だの、他の国がいろいろな対応策をとらなければならない中、スターリンを中心に5か年計画という計画経済を進めました。
これにより、他の国々では1929年から数年間経済が後退・停滞していたのに対して、ソ連だけは右肩上がりの成長を遂げます。
「グラフからソ連を選べ」っていう問題も出ますので、よく覚えておきましょう。一つだけ上がりっぱなしのグラフがあれば、それはソ連です。
④ファシズム(ドイツ・イタリア)
ファシズムって何?
ファシズムというのは、「民主主義や自由主義を否定する全体主義の政治体制」のことです。
独裁的な政治で国民の自由や権利を制限してしまうんですね。
このような独裁政治を行っていたのはドイツとイタリアです。
【ドイツ】
ヒトラーの率いるナチス
【イタリア】
ムッソリーニの率いるファシスト党
この二つの国は世界恐慌の後どうしたかというと、
「植民地なくて困ってるんだったら、植民地増やせばいいじゃん!」
と考え、他国を侵略していくんです。
そして実は日本も同じように考え、中国を侵略しようとしていくのです。
満州事変
日本でも世界恐慌の影響で国民の不満が大きくなり、政党政治が機能しなくなっていきます。そして軍部が政治を支配するようになってしまうのです。
満州事変
日露戦争の後の条約は覚えていますでしょうか?
そう、ポーツマス条約ですね。
この条約で日本は満州にある「南満州鉄道」を手に入れていました。
そして、1931年に関東軍という日本の軍隊が、柳条湖付近でこの鉄道の線路を爆破するという事件がおきます。
日本のものになってる鉄道なのに、自分たちで爆破するんですよ?
おかしいですよね。
じつはこれ、中国を攻撃する口実とするための、日本軍の自作自演だったんです。
「中国に爆破されたー!仕返ししなきゃ!」
といって中国を攻めたんですね。そして満州を占領してしまいます。
1932年には満州国という国を勝手に作っちゃって、形は独立国でも日本の領土のように支配していました。
これが満州事変です。
「柳条湖事件」が線路爆破事件のことで、満州国建国までの流れを「満州事変」といいます。
五・一五事件と二・二六事件
満州事変は関東軍という日本の軍隊がやったことですね。
実は国内でも軍隊がいろいろやらかします。
1932年5月15日に海軍の将校らが、満州国の承認に反対していた犬養毅(いぬかいつよし)首相を暗殺してしまいます。
そして1936年2月26日には陸軍の青年将校が高橋是清(たかはしこれきよ)大臣などを殺傷してしまいます。
軍部がこんなにやりたい放題したら、誰も何も言えなくなってしまいますよね。
このように満州事変以降、軍部による政治支配が進みます。
国際連盟脱退
満州事変は中国からすればとても迷惑ですよね。
日本の自作自演で攻められてしまったわけですから。
それで中国は国際連盟に訴えます。
ちょっと連盟さん、聞いてくださいよ!
私たち何もしてないのに日本が攻めてきて、挙句の果てに勝手に満州国とか作ってるっす!
何とかしてください!
国際連盟はリットン調査団という人たちを派遣し、調べたところ、
これは日本が悪いですね!
という結論が下されました。
そこで素直に謝ればいいものを、日本は逆ギレしちゃいます。
そんな決定をするような国際連盟なんか脱退してやる!!
こうして1933年に日本は国際連盟を脱退しました。
日中戦争
国際社会から見離された日本は、中国への侵略をさらに進めます。
そして1937年の7月にある事件が起きます。
北京郊外の盧溝橋(ろこうきょう)という橋で、中国軍が日本軍に発砲してしまいます。
やりたい放題だった日本に反抗しようとする中国人がいるのは、おかしなことではありませんね。
これにより日中戦争が始まってしまいます。
抗日民族統一戦線
中国も黙ってはおらず、日本への抵抗が強まります。
それまで仲が悪かった蒋介石の国民党と毛沢東の共産党が協力して日本に対抗しようとします。この協力関係が、抗日民族統一戦線です。
日本での戦時体制の強化
サクっと勝利するつもりだった日本ですが、予想外に戦争が長期化してしまいます。
そして日本国内でも「戦争のために」と、新しいルールがつくられたり組織ができたりしました。
国家総動員法というルールが1938年にでき、議会の承認なしに資源や労働力を動員できるようになります。
また、1940年には政党や政治団体が解散し、戦争に協力する組織として大政翼賛会が結成されました。
このように戦争のことしか考えられなくなった日本は、その後大国アメリカにも挑んでいくことになります。
今回の解説は以上です!
ここからは復習クイズです。頑張ってください!
世界恐慌・満州事変・日中戦争クイズ14問
クイズは以上です!